2代目経営者の変革への挑戦!
~ 「いい商品なら売れるはず」では売れない ~
○日時:令和3年12月2日(木)
16:00~18:00
○会場:オンライン開催
○講演者:株式会社静科 代表取締役 高橋 俊二 氏
○主催:株式会社さがみはら産業創造センター(SIC)
株式会社町田新産業創造センター、株式会社きらぼし銀行
○後援:相模原市、町田市、
相模原商工会議所、町田商工会議所、
(公財)相模原市産業振興財団
○出席者数:51名
第22回SIC経営者セミナーは、大勢の方のお申し込みをいただき、開催当日は51名の参加となりました。
SIC経営者セミナーの主催者を代表して、きらぼし銀行の北川取締役会長の開会挨拶の後、セミナーを開始しました。
初めに、防音パネルの開発を取り上げたテレビ番組にて、身近にある音の問題や、ハニカム構造と吸音材を組み合わせた製品の仕組みが分かりやすく説明されました。
高橋社長の父親は、新幹線等の部材製作の会社を経営していましたが、ハニカム構造の防音パネルを開発し、2006年に新たに創業しました。当時は創業者である社長を含めて3名で、全員が60歳を超えていました。最初に採用されたのが、高速道路の橋梁のジョイント部の騒音対策でした。高速道路以外の販路も少しずつ増えていきましたが、2011年の東日本大震災により、半年間受注がゼロになりました。
高橋社長が、株式会社静科に入社したのは、東日本大震災の1年前の2010年で、震災の翌年の2012年には、父親である創業者が亡くなり、事業を承継することになりました。その時、債務超過額は4000万円を超え、借入金も8000万円以上もありました。
そこで、大和商工会議所の指導を受け会社の再建を図ることになり、市場・競合・自社の視点から自社を分析し、商品・価格・流通・販促などの経営戦略を考え、改善すべき事項を明確にして取り組み始めました。
「モノが良くても売れない」原因として浮かび上がったのは、投入すべき市場が明確になっていないことと、人材育成でした。
まずは、これまでの市場の見直しを図り、特に、ある自動車メーカーとの取引をきっかけに、工場や機械防音の市場に絞ることにしました。これまでの総合展示会への出展も見直し、少ない人数でも効果的に対応でき、かつ専門性の高い顧客が多い専門展示会に出展するようにしました。
人材育成では、一人一人の個性を活かし、個々がスキルアップすることが、会社の成長につながると考えています。また、社員に対しては、「何のために行うのか」などの事業目的をしっかり説明し、会社全体で情報を共有しています。さらに、会社の決算書を社員に公開するとともに、将来の経営方針についても、社員にも考えてもらっています。
今後の方針として、防音パネルについては、営業範囲を日本国内まで拡大し、音響向け製品については、海外への売り込みを進めていく予定です。
「人無くして、会社は無い」という考えのもと、社員には経験させるように努めています。経験を積ませるためには、社員の提案については、基本的には「NO」と言わないようしています。また、社員一人一人が活躍できるステージを作ってあげたいと思っています。とご紹介がありました。
高橋社長の体験に基づくお話で、自社をきっちりと分析し、さらに経営戦略を明確にするなど、参加者の皆様にも大変参考となるご講演でした。
質疑応答では、チャットにて多くの質問が寄せられ、高橋様は一つ一つの質問について、丁寧にご対応されました。
最後に、ご講演のお礼として、主催者である株式会社さがみはら産業創造センター社長の橋元の挨拶によって、講演会を終了いたしました。