かわらばん

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かわらばん地域版75号 2021年11月

ABB株式会社
   中小企業でも導入できる協働ロボットと アプリケーション開発‼
 世界4大産業用ロボットメーカーのひとつで、スイスに本社を置くABBグループの日本法人であるABB株式会社のアプリケーション・センター東日本 水谷博樹センター長にお話を伺いました。

 ABB社は、①エレクトリフィケーション事業本部、②プロセスオートメーション事業本部、③モーション事業本部、④ロボティクス&ディスクリート・オートメーション事業本部の4事業部に分かれています。SICには、ロボティクス事業の拠点として、2019年9月より、SIC-2 R&D Lab.に入居しています。

 同社では、軌跡精度が高い6軸ロボットやパラレルリンクロボットなど、様々なロボットを展開しています。その中でも、双腕型協働ロボット「YuMi(ユーミィ)」は、ABBを代表するロボットとして、多くの企業で導入されています。YuMiは、軽量かつ高精度で、専用のプログラミングソフトRobotStudioによってより直感的な操作を支援しています。また、安全柵が不要で、100Vの電源で使用できる利便性の高さも大きなポイントです。さらに、汎用性が高くカスタマイズも簡単な標準ハンドが装備されている点も他にない特長です。同社では、ロボット単体を含むアプリケーション開発にも取り組んでおり、現場・作業に応じたシステム提案を行っています。

 その他、単腕型の「Single-arm Yumi」も展開しているほか、今年新たに「GoFa(ゴーファ)」や「SWIFTI(スイフティ)」を発売するなど、幅広い協働ロボットをラインナップしています。

 まず、「Single-arm Yumi」は、床置だけでなく、壁掛や天吊などによる設置も可能なため、生産ラインに合わせて柔軟に設置方法を選択できる点が、双腕型のYuMiにはない特長です。次に、「GoFa」は、可搬重量が5㎏(YuMiは500g可搬、SWIFTI は4kg可搬)で、同社の協働ロボットの中で最も「力持ち」のロボットです。力を検知するトルクセンサが各軸に搭載されているため安全性も高く、各軸にかかる荷重などを最適化して加減速を制御する技術も取り入れられています。そして、「SWIFTI」は、一般的な産業用ロボットがベースとなっており、最高速度は毎秒5m(YuMi は毎秒1.5m、GoFaは毎秒2.2m)を誇るなど、同社の協働ロボットの中で最も「速い」ロボットです。

 最近では、YuMiと周辺機器、架台などが一体となったパッケージシステムも提供しており、ロボットシステムの立ち上げ工数を大幅に削減できるようになりました。同社の協働ロボットは中小企業でも導入可能であり、それを後押しするための手厚いサポート体制も構築しています。

 SICのラボでは、「ロボット導入の検討・設計・据付・アフターサービス」の業務を行っています。検討段階では、シミュレーションソフトによって生産現場を再現し、ロボット導入効果を可視化する取り組みにも力を入れています。例えば、自動化ニーズが高まっている食品分野では、多様なモノを掴んだり、運んだりするため、様々なハンドが必要となることから、ときには日曜大工的な工作を行うこともあります。

 ABB社では、ロボットの選定からアプリケーション開発、そしてアフターサービスに至るまで、ユーザー目線を貫きながら、ロボットを活用した顧客の課題解決に貢献していきます。

ABB株式会社
SIC-2 R&D Lab. 2211 号室(ラボ:2113・2114 号室)
https://new.abb.com/jp
双腕型協働ロボット YuMi