かわらばん

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かわらばん地域版66号 2020年3月

株式会社M E M O テクノス
   お客様の“したい”を“かたち”にする モノづくりで 明るく豊かな社会を創造!!
 音響/アナウンス分野、ロボティクス/自動制御分野、通信/IoT分野からなる既存3分野のシナジー効果による“省力化ソリューション”を提供する株式会社MEMOテクノスの渡邊将文社長を相模原市南区大野台の本社に訪ねました。

 渡邊将文社長は自然に恵まれた八王子市川口町の出身。初夏になると生家の裏側に流れる小川に“蛍”が舞う。夕暮れにその蛍を捕まえては部屋に放し、窓を開けたまま電気を消して、しばらく幻想的な光景を楽しみながら眠りにつく。そんな少年時代が今でも懐かしい想い出になっているという。地元の小中学校を経て、日野市にある都立南平高等学校に第5期生として入学。創立間もなかった同校では、授業が8時限目まである日があったり、男子は3月からプールに入るなど新しいことにチャレンジする学校だったと渡邊社長。その頃夢中になっていたのはオートバイ。モトクロスチームに所属し、果敢な走りに挑んでいたそうだ。その後、川崎市にある大手メーカー向け人材派遣会社に就職し12年間の勤務経験をもつ。その間、携帯電話やインターフォン、大型ディスプレーなど様々な先端的開発現場を経験。20代前半には、鉄道の大規模駅の自動放送システム開発を手掛け、短期間で開発することに成功。すぐ壊れないものを作ってほしいというユーザーの要望を限りなく追及した。その結果、20年以上前に設置したシステムが今でも壊れることなく当時のまま活躍しているという。その後、大手メーカーの工場システムや新幹線向けのシステム開発を手掛けていたが、突如、勤務会社がモノづくりから撤退することになった。取引先への事情説明とお詫びに奔走する中、取引先からの業務継続要請があまりにも強かったことが、MEM Oテクノスを設立するきっかけになったのだという。

 渡邊社長率いるMEMOテクノスは、2006年10月に法人設立。人口減少が進む中、人手不足の解消を課題とする企業などに省人化・省力化・自動化ソリューションを提供するシステムインテグレーターだ。もともとサウンドエンジニアである渡邊社長。音響分野、ロボティクス分野、IoT分野の3つの分野を軸とした事業を展開している。

 音響分野では、多言語コミュニケーション・音声合成アナウンスシステム開発などを展開、公共機関向け自動放送システムでは業界屈指の導入実績を誇る。そのほか商業施設・イベント会場などにおける自動放送システムなども手掛けている。

 IoT分野では、非電波通信・IoTデバイス・次世代通信・生産管理システムなどの開発を展開。様々な製造現場の工程改善に必要な情報の可視化を手軽に始められる中小企業向けIoTデバイス「マイクロキューブ」を自社開発製品として世に出している。ロボティクス分野では、社員の「ロボット事業をやりたい」という情熱と相模原市の重点施策が合致したことが事業スタートのきっかけ。専用設計自動機・汎用ロボットシステムなどの開発で豊富な実績を持ち、特注ユニットや周辺機器のシステム開発を得意とする。移動型や協働型省力システムの請負人として、作業効率アップ・不足人員の代替などを目的に移動して人と共存して働く「ルークス」シリーズの自社開発も積極的に展開している。そんな同社はワンストップメイキングとして「打ち合わせ、仕様化、開発設計、製造、設置、保守メンテ、リプレイス」までを一括対応することができる。特に現場実態の調査分析に重点をおき、ユーザーへ質問を行いながら問題点を見つけ出し、仕様書を同社にて作成できることがMEMOテクノスの大きな強みだ。

 以前、渡邊社長は飼っていた生後半年のウサギに大けがをさせてしまったことがある。一命を取りとめたものの下半身不随となり、医師の診断は余命1年。なんとかしたいという一心でウサギ用の車いすを製作。それからウサギは10年を超える長寿を全うした。そのウサギの名前が「MEMO君」、まさに社名の由来だ。「世の中にないモノをつくり、困っている人をモノづくりを通じて助けたい」という想い、これが渡邊社長のモノづくりの原点だ。

 相模原を拠点に事業を展開する渡邊社長は、祖父の時代から相模原に縁があり、多くの人に恵まれたと感謝している。また、相模原には多くの大学があり、同時に優れたモノづくり企業も多く存在する。学生とモノづくり企業が、もっと気楽に出会える場があるとうれしいと話す。現在「さがみはらスマートものづくり応援隊」として、製造現場のお悩み解決に貢献するMEMOテクノスは、今年1月に神奈川県内工業の発展に寄与する工場として、令和初の神奈川県優良工場表彰を受賞した。

 人がやらなくてもいい仕事はロボットに任せ、人でないと出来ないワンランク上の仕事を人がする。まさに省人化・省力化ソリューションは人をステップアップさせる仕事。各企業が持つ様々な課題を自社でも取り組み、その生きたノウハウと今まで培った技術力、そして何よりも社員の情熱を武器に、これからもお客様の「したい」を「カタチ」にするモノづくりで、明るく豊かな社会の創造を目指すMEMOテクノスの挑戦に終わりはない。

代表取締役:渡邊 将文( わたなべ まさぶみ)
所在地:神奈川県相模原市南区大野台1-5-2
従業員数:17 名(うち女性4 名)
資本金:500 万円
事業内容:ロボティクス、IoT、情報ネットワークの各分野における省人化システムの受託開発
URL: https://www.memotechnos.co.jp/
渡邊社長