かわらばん

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かわらばん入居版68号 2010年1月

企業をサポートし隊!!
   シリーズ企画 企業支援の現場から・・・メンター編
「ビジネス・プランと総合力」

 私は、2005年に仏系外資企業の日本法人の経営の一線を退いてから、日本企業の経営指導の他に、欧米と日本企業との間の技術の橋渡しを主な仕事とするコンサルタント会社を設立しました。それ以来、日本だけでなく、多くの欧米ベンチャー企業とも接触しています。
 一方、私が40 年以上居たグローバルな外資系企業では、常に起業家精神と、ベンチャー的な意識が厳しく問われてきたように思います。
 ベンチャー企業の多くが当面している数々の問題:技術開発の継続性、販路が確立できない、投資・資金繰り、人の問題、等など、多方面に渡っていると思います。数少ない人数の中でオールマイテイーの能力を必要とする仕事のように思います。
 欧米のベンチャーの場合も、同じような問題を抱えていますから、失敗する例も沢山あります。ただ、中にはサクセス・ストーリーの手本みたいな会社もあります。
 大企業でもベンチャーでも、先ず一番先に当面するのは、資金の問題です。その為には、資金を募る為にビジネス・プランを売り込まなければなりません。 投資家(金融機関、ベンチャーキャピタル、ファンド、企業、個人など、大企業であれば上部の経営層)の視線はとても厳しいので、彼らのビジネス・プランの作り方、その精度などは、とても優れているように思えます。ビジネス・プランは、絵に描いた餅ではなく、実行可能なものであるし、毎年毎年そのプランの実行状況が厳しく審査されます。アメリカのベンチャーの経営者(複数)の話では、純粋の技術指向のベンチャーの90%は失敗する。それに反し、販売/ マーケッテイング・ビジネス(経営、オペレーションやファイナンス)・技術のスキルが備わったベンチャーの90%は成功すると言われているそうです。また話の中で、成功する企業の経営者は、過去に多くのトレーニングを受け現実的、且つ世界での経験をしてきた人が多い。彼らは、マーケットを良く知っており、人も沢山知っていて、知名度がある。成長企業で実際の経験を積んできた技術系の人や、堅固な企業で販売/ マーケッテイングに成功し、起業家センスを有し、且つ経営のトレーニングを積んだ人、などと言っていました。
 1 人で何でも出来るわけではありませんが、ベンチャーの経営者には、多少の得意・不得意があっても、総じて全般的なスキルが必要なのでしょう。それに、ベンチャーを動かしていくには、外部の力を大いに利用することが大切。例えば、技術面はフルタイムの人員で、セールスの人は半分の時間を外部に、マーケッテイングやファイナンス面は多くの時間を外部の専門家に、等などをうまく利用(お金はかかりますが)することで、総合的なスキルを備えるのが1つの方法と言われています。そして、もうひとつは、外部への情報発信です。グローバルな情報発信にも工夫が必要に思います。
 あるフランスの企業(エレクトロニクスの機器を作っている)は、1995 年に技術・セールス/ マーケッテイング・ファイナンスの3名で起業、現在、売上げ55M ユーロ(約72 億円)、従業員560 名、フランス以外に米国・中国・モロッコに進出。一昨年のリーマンショックにも関係なく成長中、と言うのもあります。その影には、優れたチームのスキル、ビジネス・プランと戦略、それを実行する能力があったように思います。外部を使ったチーム作りをいかにす
るか、営業のツールとしての外部への情報発信への工夫などを考えて、上記のフランス企業のように成長されますように祈っています。

株式会社アイ・ビー・アソシエイツ 代表取締役
SIC メンター 佐藤 康夫
上鶴間・長嶋神社  SICアドバイザー 権藤 徹志氏 画