かわらばん

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かわらばん入居版76号 2010年9月

Desk⑩ SIC Bizステーションサービス
   Desk⑩を利用されている齋藤優見さんをご紹介します。
 社会的企業育成支援事業コンソーシアムが開催する 第1 回社会起業プラン・コンペティション(横浜地区)でDesk⑩会員の齋藤優見さんが見事、特別賞を受賞されました。
  *応募総数は67 件、有識者等による最終プレゼンテーション審査が9 月26 日(日)に
   神奈川中小企業センタービルにて開催
 今回のコンペティションでは「Kimono World Life ~消えゆく普段着物の日本文化を海外・国内に訴求、回復させるための国際交流地域復興事業~」と題して事業プランを発表されました。
 齋藤さんはスペインのバルセロナで “Kimono Club” というスペイン人を中心とした着物愛好家からなる団体(現在、会員数は150名)の主宰を務められています。“普段着物”を世界にも普及させたいという大きな夢の実現に向けて国内外で事業を既に展開中です。
 齋藤さんがスペインで活動を始めたのはJICA(独立行政法人 国際協力機構)の派遣員であった齋藤さんのお父様が南米コスタリカ(スペイン語が母国語)で駐在中、齋藤さん自身もコスタリカに留学したことがきっかけです。その後スペインに渡り、日本文化の素晴らしさを改めて感じながらも、生活の基本でもある「衣」の中の着物、とりわけ普段着物が日本では日常の生活から消え去ろうとしている現状に危機感を感じ、また、スペインでは「着物=芸者・舞子」といった誤解があることに耐えがたい思いを募らせたことが海外も巻き込んだ着物普及活動へとつながりました。
 今年の4 月にスペインから帰国し、着物産地などの地域での活動を開始しようと奮闘されている折、Desk⑩を知人から紹介されてすぐに見学し、その場で入会を決められました。
当初は今後の活動をどのように進めていくか暗中模索の時期が続きましたが、社会起業プラン・コンペティションの案内を受け、自身の事業計画策定にも活かせることからエントリーを決意されました。改めてビジネスとしてご自身の事業を捉える機会にもなり、また、入居企業の方々やSIC 夏祭りで知り合った方々からのサポートもあって短い期間で事業プランを完成させました。

 「今回の入賞は大きな自信にもなりました。思いだけではなく収益をあげていくためには“ビジネス” という観点から事業自体を継続させていかなくてはならない、そういう意味
では今回の受賞はゴールではなくスタートなんですよね。」
と齋藤さん。しなやかな言葉とは裏腹に、普段着物普及への情熱と起業家としての決意を話して下さいました。
【Kimono club HP:http://www.kimono-club.org/

 Desk⑩オープンから3 カ月が経とうとした時期にSIC としても嬉しいニュースでした。齋藤さんの今後の活躍に期待しながら、Desk⑩がさらに多くのスモール・ビジネス・プレイヤーの活躍の拠点となるよう、サービスの充実に努めてまいります。