かわらばん

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かわらばん入居版80号 2011年1月

中嶋社長のつぶやき
   長期的なイメージ創造「SICブランド」って
 新しい年がスタートして、早くも1か月が経ちました。事業年度(平成22年度)期末まで、あと2か月。公的事業などでは、ひとつの区切りですので、詰めの仕事が大切になるかと思います。また、もう一方で、企業によって、決算期は違いますが、次の年度を考える時期かもしれません。経営計画や事業計画の立案です。
 SICの2011年は、設立から12年が経過し、13年目に入ります。SIC事業では、3つの事業が10周年を迎えます。「経営塾」「こどもアントレ」「ヒューマンデザイン開発
支援事業」です。経営塾は、2001年に、経営者育成塾としてスタート。約100名の方が卒業されています。こどもアントレも、毎年参加希望の方が増加し、昨年は定員48名のとこ
ろ、300名を超える応募数になりました。いずれの事業も、地域に定着し、意義を認めていただいているのではないかと思っております。そして、このような取り組みの一つ一つが、
SICの「ブランド」を作っていると考えられます。
 そこで、「SICブランド」とは、どんなものなのか、もう少し掘り下げて考えようと試みました。しかし、残念なことに、私自身の中で整理できていないことに気がつきました。そこ
で、「ブランド」について、少し聞きかじってみました。「ブランド(Brand)という言葉は、英語で「焼印を押す」という意味のBurnedから派生したものです。」「カウボーイは、一
緒に放牧してある他人の牛から自分の牛を区別できるように、牛の脇腹に独特の焼印を押します。」(※文献)ということだそうです。SICと他組織との差異をわかりやすくする。独自性
を主張する。このようなことが目的となっているようです。
 もう少し詳しく表現すると「ブランドとは、自社製品を他メーカーから区別するためのシンボル、マーク、デザイン、名前のことです。ブランディングとは、競合商品に対して自社ブ
ランドに差別的優位性を与えるための長期的なイメージ創造活動のことです。」(※文献)長期戦略として捉えることが大切なようです。
 では、企業にとって、「ブランド」は、どのような効果をもたらすのでしょうか?
「企業にとっての収益源を、顧客ベースでみると次の二つになります。ひとつは、既存顧客のロイヤリティを高めて自社製品を購入し続けてもらうことです。もうひとつは、新規に顧客を
開拓して顧客のベースをひろげることです。」「現在のように消費者の好みが多様化して市場が飽和した状態では、消費者がなかなか新しいものに飛びつかなくなっています。」「これま
での顧客をしっかりつかむ方が、企業にとってはマーケティングの効率が高いのです。」(※文献)下図によって、イメージしていただけると思います。
 「ブランド名には、企業ブランド、製品クラス、ファミリー・ブランド、個別ブランド、製品仕様など、いくつかの階層があります。」「イメージが確立したブランドでは、製品カテゴリー、使用状況、ユーザー、国や文化などとブランド名が強く結びついています。」(※文献)なるほど、いくつかの階層があり、国や文化にまで関係するものなんですね・・・。
 話は、元に戻りますが、「ブランド」を考えていく中で、この「ブランド」を支え築いているバックグラウンドがなければ「ブランド」は輝かないのではないか。たとえば、SICであ
れば、施設や設備のレベル、IMの能力、財務の健全性などがあります。そして、実施している単独事業の実行・運用で、結果が表面化します。もうひとつステージをあげると「入居企業」及び「地域企業」の皆様も、「SICブランド」に大いに関係があるのではないか。もっと考えてみると「輝いているSIC入居企業」の皆様が、「SICブランド」の源泉ですね。
結構、良いストーリーです。そのようなことで、「SICブランド」については、引き続き長期的な視点から、もっと具体的に深めてみようと考えを巡らせております。

※文献「ブランド戦略の実際」小川孔輔著・日経文庫