かわらばん

かわらばん

    
かわらばん地域版74号 2021年9月

株式会社トランセンド
   経験の枠を超越し、 日本の製造業を“人が最も輝く居場所”にする!
 AI・画像処理技術や専用設計のロボットハンド・ツールチェンジャーなどを組み合わせたロボットシステムの開発を手掛ける株式会社トランセンドの大野慶 取締役・最高技術責任者(CTO)にお話を伺いました。

 トランセンド社は、相模原市内のロボットシステムインテグレーターであるJET株式会社(代表取締役 遠藤 法男氏。トランセンド社 代表取締役)と永進テクノ株式会社(代表取締役 鈴木 道雄氏。トランセンド社取締役)の2社が、多品種小ロット日配品向け自動仕分けシステム「トランセンド」シリーズの設計・製造を中心とした事業を展開するため、2016年に共同で設立した会社です。SICには、2019年10月より、SIC-2R&D Lab.に入居しています。

 自動車業界などでは、すでに多くのロボットが導入・活用され、生産性の向上が図られてきました。しかしながら、ロボットの導入経験に乏しく、社内に生産技術部門を持たない企業では、自動化システムの構想を練ることすら難しいのが現状です。同社では、「トランセンド」シリーズの設計・製造に加えて、今後ロボットの普及が期待される三品業界(食品・化粧品・医薬品)、特に食品業界への自動化提案に力を入れています。

 食品業界は、慢性的な人手不足に直面している一方で、人の目や手作業に依存した製造工程が数多く残されています。したがって、ロボットに対する期待は大きいものの、実際には様々な障壁があり自動化はあまり進んでいません。例えば、食品の製造工程においては、厳格な衛生管理が求められることが挙げられます。また、扱う製品の大きさや硬さ、形などが多岐にわたることも課題の一つです。さらに、消費者の嗜好や流行の変化に応じて、生産品目や生産量が頻繁に変わることも考慮する必要があります。これらの障壁を背景に、自動化システムにも柔軟性や汎用性が求められるため、結果として自動化・ロボット導入を断念するケースも少なくありません。

 トランセンド社では、これらの課題解決に資する自動化を目指して、コンサルティングから設計・部品調達・組立・プログラム導入・稼働・メンテナンスまでを一気通貫で担っています。特に、独自開発した画像解析ソフトやユニークな搬送機構は、高性能な自動化システムの実現に大きく寄与しています。例えば、コンビニの弁当・総菜など数百種類の製品や形がまばらな食材から、カメラレンズのように透明なものに至るまで、量も形も色も的確に認識することができます。この画像解析ソフトと機構設計・制御の技術を掛け合わせることで、食品業界を中心に、様々な分野・作業の自動化を実現させてきました。また、JET社の開発力と永進テクノ社の施工力・ネットワーク・メンテナンス力なども活かすことで、顧客が抱える様々な課題の解決がより一層後押しされています。

 「経験の枠を超越し、日本の製造業を“人が最も輝く居場所”にする」ことを理念に掲げるトランセンド社。自動化・ロボットシステムを通して、日本の製造業を変えていきます。

株式会社トランセンド
SIC-2 R&D Lab. 2315 号室
https://www.transcend.expert/
大野CTO