かわらばん

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かわらばん入居版155号 2017年4月

アルセンス株式会社
   「センシング技術で“共感し合える”社会へ」
【代表プロフィール】
アルセンス株式会社
代表取締役 滝口 收(たきぐち おさむ)
東京都出身、相模原市在住

【創業の経緯は?】
 大手電機メーカー勤務を経て、2007年にセンシング技術を活用したセンサやモジュールの研究・開発・評価を行う会社を設立した滝口さん。その後、より現場に近い仕事がしたいと考え、昨年12月にアルセンス株式会社を設立し、それを機にデスク10に入会されています。

【事業紹介】
 アルセンス社では、センシングに関連する技術コンサルティング、コンセプトモデル研究開発、研究開発支援等の事業を実施しています。センシング技術は、振動や波動といった様々な要素の情報を計測・収集し、それらを数値化することによって、分野を問わず多くの現場の課題を解決することに活用されています。

 実際にセンシングを行う現場では、計測に必要な電源やスペースを確保することが求められます。アルセンス社では、自然エネルギー等の活用によって、より自然で計測に適した環境下でのセンシングを可能なものとする仕組みの構築を提案・支援しています。たとえば、農業の現場で植物のセンシングを行う場合、発電菌を活用するといったアイデアを実現させることで、コンパクトかつスピーディーにエネルギーの確保が可能となります。

 アルセンス社は、これからの時代は一社単独ではなく、多様な関係者と連携・協力しながら課題の解決を図る時代であるという考えのもと、より柔軟で効果的なセンシングを目指して、日々現場の課題と向き合っています。

【大切にしていることは】
 センシングの目的はデータを集めることにあるのではなく、重要なのは得られたデータをどうするか、課題の解決につなげることができるかどうかだと語る滝口さん。センシング技術により得られた情報は、それを活かして課題の解決を図ろうとする現場のモチベーションを向上させる効果もあることから、コンサルティングを行う上では、「相手が根本的に何をやりたいのか」という視点で考えることが大切であると考えています。

【これからの夢または目標は?】
 私たちの身の回りの多くが、言葉は発さずとも、振動や波動等を通して様々なメッセージを発信しています。センシング技術はそれらのメッセージを可視化する技術です。滝口さんのこれからの夢は、ともに生き、共感し合える社会と居心地のいい空間を生み出していくことであり、そのために皆が驚くような技術を開発していくことです。

【取材を通じて】
 普段は冷静沈着なイメージのある滝口さんですが、「データは取れて当たり前」と思われている中で、実は計測現場に行く前はとても緊張しているのだそうです。「やってよかった」「こういうやり方があるとは思わなかった」といった声が聞こえたときには、大きな達成感を感じるそうです。

 また、プライベートでは、音楽と野菜をテーマにしたイベントの運営にも携わっているそうです。「興味を持ち、楽しむ」という心持ちが、結果として多様な人とのつながりを生み、そこから多くの刺激を受けているという滝口さん。時には娘さんとのやり取りから、刺激を受けることもあるそうです。

 取材を通して、事業への熱い想いだけでなく、滝口さんの意外な一面も垣間見ることができました。(SIC樽川)

アルセンス株式会社
SIC-1 Desk⑩ 
E-Mail takiom@mua.biglobe.ne.jp

※センシング sensing 
必要な情報を用意された手法や装置を使用して収集することをいう。
人や動物は対象に興味を抱いたときに感覚器官を動員して対象に関する情報を収集する。情報収集の動機は生存のために必要である場合が多い。どんな場合も対象について不確かさを減らし、より明確にしたいという欲求があり、それを満たすことがセンシングの目的である。人間の感覚機能を対象にあわせて人工的に拡大発展させ、情報を獲得する技術をセンシング技術という。
                   出所:日本大百科全書(ニッポニカ)
滝口社長
基盤