かわらばん

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かわらばん入居版55号 2008年11月

職業能力開発総合大学校 Polytechnic University
   機械制御システム工学科 安田研究室 教授 安田 克彦 氏
 我々の研究室では、ものづくり技術を溶接・接合の分野から捉え、現場に即対応可能な各種材料の溶接や高品質溶接、高効率溶接の施工法の開発を行っております。 
         
 特に、最近は、ものづくりの中心に「人」を置き、
 ①人が得意とする部分は人が、逆に人が不得意で機械が得意とする部分は機械が行い、両者が協調して行う写真のような「人と機械の協調溶接法」
 ②人の技を解析し、ロボット機能に適応可能なデータをロボットのティーチング段階で利用するロボット溶接の施工法
などの方法で溶接の高品質化、高効率化を実現させています。

1)各種材料の溶接法の開発
 従来から現場で広く利用されている各種のアーク溶接法を使用し、一般的な炭素鋼からステンレス、アルミ、チタン、マグネシウム材料まで、各材料の溶融特性や溶接継手の変形特性などを独自の方法で解析し、高品質の溶接が比較的容易に得られる方法を確立しています。

2)高品質化溶接法の開発
 特に、薄板溶接に着目、溶接した材料を成形する「溶接と板金加工の複合加工」を進め、各材料の用途目的に適した溶接法を提案しています。最近は、高付加価値製品となる密閉容器の製作における溶接の開始端から終端までの溶け込みを均一に保つ溶接法を数種の方法で可能としています。

3)高効率化溶接法の開発
 溶接の高効率化を目的に、溶接の高速化や深溶け込み溶接を目指し、①熱源の複合化、②アーク熱源の制御、③溶接施工面の工夫、などで可能にしています。特に、深溶け込み溶接に関しては、開先の形状やティグ溶接用電極先端の形状設定など、従来はほとんど見過ごされてきた手軽な要素をうまく工夫し、組み合わせることで十分な成果の得られることを見出しています。

4)薄板溶接
 各種材料の中でも0.2~1.6mmの薄板材の溶接に着目、ハンドレーザを効果的に利用する方法や制御したティグやプラズマ熱源を使用する方法を検討しています。さらに、これら作業をできるだけ技能レスの方法で行える簡便な治工具の開発などにもトライアルしています。加えて、溶接を工夫することで、板金加工の限界に挑戦する試みなども行っています。

職業能力開発総合大学校ホームページ
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