かわらばん

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     研究室紹介
かわらばん入居版59号 2009年3月

中央大学 CHUO UNIVERSITY
   中央大学 理工学部 情報工学科 教授 鈴木 寿 氏
 今回は、人工知能を専門とする鈴木寿研究室を紹介いたします。

 「仕事は三流で構わない。生活も三流で構わない。研究は?・・・これも、三流で構わない。ただ、何ごとも人の後追いをしているだけでは駄目で、常に独創的であることを目指す。」これをモットーに、鈴木研究室では社会に直接還元する研究開発を多方面に展開しています。
 研究室の専門である人工知能とは「人工的に知性を創る」ということです。人間の脳や人体そのものを復元すると思われる方もいるかと思いますが、そうではなく、人間の知性のある部分を取り出し、それを機械の上で再現する、さらに、特化した機能について人間の知性より優れた知性を機械上に創造する、これが人工知能です。例えば、コンピュータは人間どうしの会話のような、曖昧で矛盾を含んだ表現には柔軟に対応できず「厳密なロジック(論理)」を必要とします。このように、人間
とコンピュータの仲介役(インターフェイス)を担うのが人工知能なのです。鈴木研究室では、この問題を解決するためのより所となる多次元ブール理論というオリジナル技術を持っています。さらに、人と機械とがコミュニケーションをとるための、音声認識、画像理解、言語処理をはじめとするさまざまな知的インターフェイスの要素技術も蓄えています。
 人工知能の応用開発も進めています。例えば「誤り訂正関連をはじめとする多様なFPGA用IPコアその他の研究開発」。
 放送はディジタル方式に移行されようとしています。音響・映像は“電磁波の波形”として保存・送信されますが、途中でさまざまな外乱が加わり、保存時間や送信距離が長大になるほど画質が悪くならざるをえませんでした。ディジタル方式といえど波形を保存・送信するわけですから外乱は加わりますが、アナログ方式と違い、データを数値化して計算することにより、外乱によって生じた誤りを自動訂正できます。人工知能の応用技術が、世界最高クラスの誤り訂正を実現します。あらゆるディジタルデータの通信・記録にかかわる処理性能を向上するため、次世代高速通信用高速ヴィタビ復号器、RSA暗号を中心とする公開鍵暗号プロセッサー、リードソロモン符号など、FPGA用IPコア(設計資産)やソフトウェア、ハードウェアを研究開発しています。
 なおこの研究開発は、さがみはら産業創造センターに入居されていた機械学習研究所さんhttp://www.ml-labo.com/jp/ に協力して技術開発を行いました。平成12年度IPA未踏ソフトウェア創造事業による委託事業の成果に基づいて開発した製品“デジタル通信用高速・超小型復号器用IPコア”は、第20回神奈川工業技術開発大賞奨励賞を受賞し、同社の取引先・納入先として文科省研究機関、大学、メーカ等多数の実績があります。
 この他にも、鈴木研究室には多くの応用技術があります。ご興味のある方は、以下までご連絡ください。

【お問い合わせ先】
 中央大学 産学官連携・知的財産戦略本部 研究支援室
 名達 誠一( なだち せいいち)
 TEL: 03-3817-1674
  E-mail: k-shien@tamajs.chuo-u.ac.jp