かわらばん

かわらばん

     専門家コラム
かわらばん入居版51号 2008年7月

企業をサポートし隊!!
   シリーズ企画 企業支援の現場から・・・SIC アドバイザー
見える化入門
 第1回:なぜやるのか・何を見るか  中小企業診断士 若槻 直

●見える化をなぜやるのか
 今回から3回シリーズで経営に「見える化」を応用する場合の基礎についてお話しさせていただきます。
 「見える化」は様々な内容を含んでいます。しかし効果を出すには「なぜやるのか」という目的を知ることが重要です。
 見える化の定義はいくつかありますが、私は「視覚的コミュニケーション」と捉えています。「話せばわかる」ではなくて「話さなくてもわかる」ようにするのが見える化です。
 コミュニケーションですから、これだけで会社は良くなりません。しかし組織運営でコミュニケーションは重要な要素です。日常業務や人材育成などはコミュニケーションが基盤になっていることは言うまでもないでしょう。経営者や社員全員が、その重要性を認識して取り組むことが効果を出す条件です。

●見える化で何を見るか
 見える化の対象は広範囲ですが、次の5つに分類できます。

「経営の見える化」:経営方針や年度目標などが対象です。運転に例えると、目的地を示す地図や、現在位置を示すGPSに相当します。

「顧客の見える化」:お客様本人に直接合うこと、そしてそのニーズを見えるようにすることです。自動車の運転に例えれば、歩行者の動きを見ることに相当します。

「環境と業務の見える化」:日常業務の状況や手順が対象です。自動車では、操作対象のハンドルやスイッチが見えていること、交通法規が明文化されていることに該当します。

「心と知恵の見える化」:社員の力量や改善事例が対象です。自動車の運転では、運転者の経験や無事故歴などが見えることに相当するでしょう。

「課題と対策の見える化」:「経営」「顧客」「環境と業務」「心と知恵」に関する課題と対策を常に見えるようにし、社員が自主的に課題解決を進めるようにすることです。