かわらばん

かわらばん

     専門家コラム
かわらばん入居版52号 2008年8月

企業をサポートし隊!!
   シリーズ企画 企業支援の現場から・・・SICアドバイザー
見える化入門
 
 第2回:対象を何で見せるか

  中小企業診断士 若槻 直

●見せるための4つの方法
 第1回では、見える化とは視覚的コミュニケーションであること、その対象は「経営」「顧客」「環境と業務」「心と知恵」「課題と対策」の5つであることを示しました。今回は、見せるための4種類の方法についてお話します。

1 現物で見せる
 仕事に使う施設・機器・材料などのモノを見たときに、その状態や基準が分かるようにするものです。整理整頓などの5Sは「現物で見せる」方法の一部です。区画線・標識・絵文字も「現物で見せる」に該当します。

2 本人で見せる
 顧客・取引先・社員など仕事関係者の本人と会うことです。IT化が進んだ現代でも、情報の発信源をたどると人間に行き着きます。本人に会うことによって、文書や話し言葉以外の情報を得られます。表情や身振りは、視覚的コミュニケーションの重要な要素です。

3 信号で見せる
 対象となるモノ・工程などの状態を、電気信号や別の物理量に変換して見せるものです。トヨタ生産方式で使われるアンドンが代表例でしょう。設備の運転状態を表わす計器類や、製品の品質特性値を計る計測器類を使うことも「信号で見せる」に該当すします。

4 文書で見せる
 対象の状態・目標・課題などを文書で見せるものです。物理的・地理的に大きい対象や、抽象的な概念などは、文書だけが見せる手段となります。しかし適切な表現方法や掲示方法にしないと内容をうまく伝えられない弱みがあります。

●現物・本人優先の原則
 4種類の方法のうち、「現物で見せる」「本人で見せる」の方法を優先させましょう。例えば顧客が製品を使っている状況を文章だけで説明するのは大変です。しかし現場・本人を見せると、それこそ一目瞭然となります。