かわらばん

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     専門家コラム
かわらばん入居版54号 2008年10月

企業をサポートし隊!!
   シリーズ企画 企業支援の現場から・・・『人材採用のポイント』3回連続
 仕事柄、中小企業の経営者の方々と話をする機会が多いのですが、最近「求人しても応募者が少ない」「人材が思うように採用できない」「優秀な人材が採用できない」など“人材採用” に関する話題が増えてきています。これは、経営者や企業の“人材採用” という課題に対する関心が高まってきている事と、“人材採用”の成否が企業の継続や成長にとって重要なことを示しています。
 そこで、3回連載で、大学生の声、転職者の声、就職支援者の声、各種調査、各種統計などを基にし、『“人材採用” のポイント』についてみなさんと一緒に考えていきたいと思います。

SIC インキュベーションマネージャー
 上野 泰和(社会保険労務士有資格者)

第1 回 就職活動の実態(転職者編)

 中小企業における人材採用の手法として、中途採用(転職者の採用)が最も一般的な方法となっています。職業経験があるため一からビジネスマナーなど社会人としての常識を教える必要がなく、また、業務知識や経験を持ち合わせていることから即戦力としての活躍が期待されるからです。しかし、実際には、そのような高い能力を持った即戦力人材の採用に成功している中小企業は少なく、ある程度の知識や経験を有している人材を採用し、自社内で育てていくというスタンスが必要となって来ています。

 一方、採用される側もある程度即戦力として期待されていることは承知しているが、「求人企業でどのような仕事をするのか」「どの程度の能力を有した人材を求めているのか」などに関する情報が不十分な為、面談時に求人側と求職者側の双方が「違和感を感じる」事態、いわゆるミスマッチが発生している。ディップ(株)の調査においても、68%の経営者が「面談時にミスマッチを感じている」との結果が出ています。

 職業訓練校の就職支援者によれば、「これまでの経験や知識を活かせる職種に就きたい」「職業訓練で身につけた知識や能力を活かすことができる職種に就きたい」「地元で働きたい」と考えている訓練生が多いそうです。「賃金よりも自分の経験や能力を活かせる仕事(職種)に就きたい」「できれば地元で」と考えている転職者が多いのです。

 (株)日本総合研究所と楽天リサーチ(株)の調査では、転職者は「能力・適性を活かせる仕事である」「賃金が適正水準である」「労働時間が適正水準である」「人事評価が公正である」などを就職の際に重視する点としてあげています。

 転職者は自分にあった企業を探すべく、ハローワークや転職情報サイトなどで採用情報を集め、その企業で何ができるのか、どのような待遇で処遇されるのか等の詳細な情報を得ようと企業のホーム
ページを閲覧します。しかし、多くの転職者は「情報が不十分」と感じ、思うような就職活動が行えていないのが実態です。

第2回へつづく