かわらばん

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     専門家コラム
かわらばん入居版67号 2010年1月

企業をサポートし隊!!
   シリーズ企画 企業支援の現場から・・・メンター編
「活発な起業が産業の活性化を支える」

 新年明けまして おめでとうございます。本年が入居企業各社様にとって、更なる飛躍の年となります様お祈り致しております。
 市場に明るい兆しが見えてはおりませんが、こういう時にこそ、起業や新規事業の活発な動きが重要ではないでしょうか。入居企業の皆様にとっては、大変ご苦労の多いことと思いますが、このご奮闘が明日の地域産業を大きく支えていくものと確信しています。
 いかなる大企業も、ベンチャー企業つまり小企業の起業から出発しています。こうしたゼロからの挑戦をするベンチャー企業の数が多いほど、産業活性化が促進され、高度化が進む事は間違いのない事実です。 此れまでも、多くのベンチャー企業が産業発展の基礎を担ってきました。第2次ベンチャーブームが起きた1982年は、製造業を中心とした第2次産業から、流通・サービス業を中心とした第3次産業へと、産業構造が転換する時期でありました。即ち、産業構造の大きな変化の時期に大きな起業へのうねりが起きています。そしてそれは、産業のイノベーションとなって、次なる発展に繋がっていると考えられます。残念ながら第2 次ベンチャーブームは、1985年におきた円高不況によって「ベンチャー冬の時代」を迎えましたが、この次期に、現在のベンチャーキャピタリズム(注) の基礎が築かれたと言ってよいでしょう。
 世界に知られた本田技研工業やソニーなども、1946年と1948年に20名でベンチャーとして起業されました。先端産業を牽引している最大手企業のソフトバンクも、1981年に従業員3 人で事業を始めたベンチャー企業でした。28年前に福岡のアパートの一室で、アルバイト2人と始めたソフトバンクの事業は、いまや世界を席巻する事業となったわけです。
月並みですが、起業とは「単に事業を起こす」ことではないと考えています。技術・製品・サービスの新たな付加価値を生み出し、市場のニーズに応え、市場を創生することであると同時に、何よりも重要なことは、これらの起業と事業行為を通じて、社会の発展に貢献することではないでしょうか。そして、社会の真のニーズに応え産業の次なる発展に資することこそ、
ベンチャー企業発展の源泉ではないでしょうか。
 昨年から始まったSIC サポーターズミーティングも、4回の検討を重ね、小生も毎回メンターとして参加させて頂いていますが、何時も各社社長様の事業に対する熱い想いと、その技術・製品のすばらしさには感心させられます。一方で、開発した技術・製品の販路開拓に悩んでおられるケースも多く、各社共通の課題ともなっている現実から、市場ニーズとの乖離も強く感じられます。
 各社とも、技術開発の経験豊富な人達が起業家となっておられ、これまで培ってきた技術を基軸に新事業が展開されています。ベンチャー成功の為に考えられる新事業の展開とは、如何なるものであろうか。理想ではあるが、市場が切望し社会が欲しているところの明確な技術・製品ニーズの見極めが先ずは大きな仕事で、次に、見極めたニーズに対する自社技術の整合性と開発戦略を考えることが、新事業展開の重要なステップと言えます。
 さがみはら産業創造センターは小生にとっても運命共同体であり、今後も入居企業の皆様と一緒に、事業の課題に悩み、解決への努力、ご支援をして参りたいと思います。
 我が家の小さな庭にも、春を待ちわびる小鳥達のさえずりが聞こえます。平成22年の新春にあたり、SIC 入居企業様の事業にも春の季節が訪れんことを心から祈っております。

(注)ベンチャーキャピタリズム ベンチャー・ビジネスとベンチャー・キャピタルの相互作用によって、付加価値有る新しい産業が生まれるという考え方
  
SIC メンター   
小林 守 記
上鶴間・長嶋神社近く SICアドバイザー 権藤 徹志氏 画