かわらばん

かわらばん

     地域企業紹介
かわらばん地域版70号 2021年1月

株式会社ミヨシ・ロジスティックス
   “着眼大局 着手小局”と“人間力”で地域社会に貢献
 作業請負・人材派遣を主業とする株式会社ミヨシ・ロジスティックスの吉田英訓社長を相模原市緑区下九沢の本社に訪ねました。

 吉田英訓社長は横浜市中区の出身。小学生の頃は地元サッカークラブに所属し汗を流した。中学時代はバスケットボール部に入部したが、高校時代は再びサッカー部で活躍した。「頭を使うより体を動かす方が好きでした。今は口ばかり動かしています(笑)」と吉田社長。また、学級委員長に立候補するなど、小さい頃からリーダーシップを発揮するタイプだったそうだ。高校時代には、完成直後の瀬戸大橋を見に四国へ行くため、修学旅行の実行委員長にも立候補。見事、委員長に選任され夢を叶えた。その後、産業能率大学情報マネジメント学部で経営学を学んだ。大学時代はテニスサークルに所属し、お約束通り3年時には同サークルの会長を務めた。昔から目立ちたがり屋で負けず嫌いな性格。そのせいか少し生意気に見られ周囲から叩かれることもあったそうだ。だが、それ以上に分かり合える仲間も多かったと振り返る。大学卒業後、スーパーマーケットの精肉部門で1年半ほど勤務した後、ミヨシ・ロジスティックスに入社。メイン取引先である大手重工メーカーの工場内で、小型エンジンの製造ラインに部品を供給する業務に従事した。2003年には、一旦同社を離れ、介護施設を運営する有限会社こもれび(同社関連会社)の社長兼施設長に就任。ホームヘルパー資格をはじめ、福祉住環境コーディネーターや福祉用具専門相談員などの資格を次々に取得。さらに、販売士の資格も取得した。立ち上げ当初はかなり苦しかったが、介護にサービス業の要素を取り入れた経営戦略が奏功し、約半年ほどで採算ベースに乗せた。そんな最中、大手自動車メーカーの請負業務を獲得したことで急遽ヘルプ要請がかかり、ミヨシ・ロジスティックスへ戻ることになった。

 同社は、1992年5月に現会長の吉田潔氏によって、大手重工メーカーをメイン取引先とするアウトソーシング会社として設立された。その堅実な実績から大手建機メーカーとの取引も開始。その後も上場企業を中心に取引先を着実に増していく。2004年には北海道事業所を開設し、特殊車両の整備事業を開始した。近年、アウトソーシングは定型業務やコスト削減面だけではなく、企業競争力の強化、生産性・効率性の向上、スピードや品質の向上に加えて、組織のスリム化・人の再配置による企業再構築などの高い付加価値を生み出すことを目的に活用されるケースも増えている。顧客ニーズが多様化する中、同社はエンジン部品の組立作業者をはじめ、フォークリフト免許取得者からクレーン技能者、事務スタッフまで様々な技能を有する169名のスタッフが、製造業を中心に地域の大手・中小企業を手厚くサポートしている。そんな同社の社是は「着眼大局 着手小局」だ。大局視点で全体を把握することが必要であり、実際に手をつける取り組みや作業は足許の小さな所から始め、着実に進めるべきとするもの。きちんと目的・方針を作成し、目標を定め日々行動していくことで成果が生まれるという意味を持つ。同時に生産性向上やカイゼンを常に追求し進化を目指す。こうした企業文化・マインドが取引先からの信頼獲得に結び付いていることが同社の特徴であり大きな強みだ。

 吉田社長がミヨシ・ロジスティックスの代表取締役に就任したのは、2013年42歳の時である。社会人になってからも、相模原市青年工業経営研究会会長、近未来技術研究会会長、相模原市南西フォーラム副委員長・委員長などを歴任し、地域経済の発展に貢献している。「その時々での“厳しい人たち”との出会いから、褒めるときは褒め、叱るときは叱る。簡単に助け舟を出すのは、相手の成長を妨げることになる。相手のために叱れる人こそ、思いやれる人だ、という考え方が定着した」と熱く語ってくれた。そして、「人」が最も重要なリソースである同社は、何よりも人材育成に力を注ぐ。その人材育成の根幹は、“人間力”の醸成だ。知識や技能も必要だが、それ以上に自責と他責を意識した人間力が大事。「うまくいったら皆さんのお蔭、失敗したら自分の努力不足」と言える自責思考。「こうした自責思考の人には“人間力”の高い人が多い」と吉田社長は語る。

 そんな吉田社長は、毎年その年の進むべき方向性・考え方をスローガンにして、全社の一致団結を図っている。2019年は「凡事徹底」、2020年は「進化」だった。そして今年2021年は「集中」だ。コロナ禍で今年も大変な状況が想定される中、高い安全性・生産性・品質を実現し、より一層お客様に喜んで頂けるホスピタリティの高い仕事をしていくため、一つ一つの仕事に一生懸命“集中”していこう!という意味が込められている。新たな年の始まりに、このスローガンを掲げ、地域に根差した事業を通じて、社会の発展に貢献する吉田社長とミヨシ・ロジスティックスの皆さんの挑戦に終わりはなさそうだ。


代表取締役社長:吉田 英訓(よしだ ひでのり)
所在地(本社):神奈川県相模原市緑区下九沢2129-4
従業員数   :169名
資本金    :1,000万円
事業内容   :人材派遣・請負業(生産事業・業務事業・技術事業・国際事業)
URL     :https://miyoshi-log.co.jp/
吉田社長