かわらばん

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     ちいたび
かわらばん入居版55号 2008年11月

石川の東海道 道中記 第2回
   ― 平成20年10月15日(水)安倍川~島田 ― ー平成20 年11月2日(日)島田〜掛川ー
 安部川駅から方向を間違えたが、地元の親切な方に道案内をして頂き丸子( まりこ) 宿へ入る。茅葺の茶屋丁子屋があり、名物のとろろ汁で精をつけて宇津ノ谷を目指したそうである。雨も上がり、しっとりとした空気に醸し出された宇津ノ谷は、閉ざされた山中の家並みが残され、古老の話も
聞くことができて、これまでの道中では見たことのないタイムスリップした感じであった。
 明治時代にできた幽霊がでるというトンネルをくぐると、バイパスを走る車の音で現代に戻り岡部宿へ向かう。旅籠の一軒であった柏屋は歴史資料館になっている。平坦な街道を6k程進むと商店街が続き大きな宿場の藤枝となる。土地柄であろうがお茶の問屋が多くみられ、社寺も多く、中でも大慶寺の日蓮が植えたと伝えられる「久遠の松」は見事な枝振りである。東海道本線に沿って島田宿を目指すも、帰る時間も迫ってきたので、一駅手前の六合にて本日は25kで上がりとした。


 8:10 六合駅を出発、国道1 号線の道標は東京から206.5k。島田宿を抜けるといよいよ大井川になる。
 当時は水深に応じた川札を購入、人の肩や輦台に乗り渡った様子が復元された川会所( かわかいしょ)に展示してある。1kの大井川橋を渡りきると金谷宿で、この日は大井川鉄道のSL運行日で、久しぶりに現物を見物できて大変得した気分。金谷坂・菊川坂の石畳(写真)を抜けると、箱根峠・鈴鹿峠とともに三大難所といわれた小夜の中山峠となる。お茶畑が広がり見晴らしは良いが上り下りは厳しい。七曲りの急坂を下りきると日坂( にっさか) 宿で旅籠や高札場があった。掛川までは7.5kほどであったが思った以上に応えた一日でした。        つづく