かわらばん

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かわらばん地域版30号 2014年5月

プライムダイレクト株式会社
   相模原の地から市場創造
 OA機器の販売やプリンターのリサイクルトナーの販売を手がけるプライムダイレクト株式会社の鈴木祐幸社長を相模原市中央区田名の本社に訪ねました。
 同社は町田市にあるコンピュータ用の磁気製品、プリンター、リサイクルトナーの販売を手がける株式会社プライムから平成19年4月にプリンター販売とリサイクルトナー部門を分社化させる形で相模原市田名で創業している。鈴木社長は現在47歳。OA機器メーカー2社の営業職を経て、平成21年に創業間もないプライムダイレクトに営業の責任者として入社する。商品競争力があり利益率も高いリサイクルトナーの販売に注力し、赤字が続いていた同社の経営を立て直し、その実績が買われ4年後の平成25年1月に社長に就任している。
 社長になって、まず取り組んだのが社員の意識改革と多能工化だという。鈴木社長は従業員の仕事に対する期限の感覚を引き締める意味で「そのうちにやっておいて」という指示は3日以内に。「早めにやっておいて」は今日中に。というルールを徹底させたそうだ。
 また、営業、製造、事務を問わず思い切った配置転換をどんどんやり、社員全員が何でもやる、どこでも守れる体制づくりを進めたそうだ。今では、会社の売上を少しでも上げるため全員が営業という心構えになったそうだ。そうしたことが功を奏し、直近3期は連続で黒字決算に。今期も増益を見込んでいる。同社の顧客数は約2万社で神奈川県、東京都の顧客が約4割。将来はこの地域の比率をもっと引き上げるとともにさらに地域を狭く絞り、一社、一社の詳細な顧客情報を把握したうえで営業する地域密着型のビジネスにしたいと考えている。鈴木社長はこれを超ミクロマーケティング戦略と言っている。
 そして、昨年から始めた新規事業が無料レンタルプリンター「プリプラ」の事業だ。顧客に同社がメンテナンス・クリーニングした中古プリンターを無料で提供する。送料や設置費も無料。納品後の修理費用も無料。顧客は格安のトナー料金を支払うだけという仕組みだ。これは、富山の薬売りのビジネスモデルを参考にしたそうだ。無料で貸出すプリンターは大手メーカー7社、約30機種の中古品のなかから選べる。導入コストとランニングコストがかさむオフィス用プリンターを導入したい小規模な企業にとってはとても魅力的なサービスだ。すでに大手企業や官公庁でも採用されているという。また、このビジネスモデルは「かながわビジネスオーディション2014」「第11回多摩グリーン賞」2つのビジネスコンテストでも受賞するなど各界から高い評価を受けている。今月よりこの事業のフランチャイズ展開を始めたそうだ。相模原市内で創業したブックオッフが中古本の世界で巨大な市場を創造したように、鈴木社長率いるプライムダイレクトも無料レンタルプリンターとリサイクルトナーで新たな市場創造を目指している。

プライムダイレクト株式会社
代表取締役 鈴木 祐幸
所在地 :相模原市中央区田名5577番地3
従業員数:18名 資本金:2,000万円
売上高 :2億8千万円(平成25年度実績)
事業内容:リサイクルトナー販売、各種OA機器サプライ販売、OA機器販売、プリンター修理
鈴木社長
プリプラパンフレット