かわらばん

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かわらばん地域版6号 2010年2月

クラフト株式会社
   「巻く」「切る」「つなぐ」を武器に新たな挑戦
 相模原市橋本台に金属合紙(きんぞくあいし)の加工販売を手がけるクラフト株式会社の関和雄社長を訪ねました。
 ステンレスはコイル状またはシート状で製造されるが、その際に生じる表面のキズや酸化を防ぐために保護紙(中性紙)をはさむ。この紙を金属合紙と言います。関社長は23歳で父親の事業を引き継ぎ、その7年後の1980年に金属合紙のリユース(再使用)技術を開発し事業としてスタートさせている。当初は市内にあったステンレスメーカーの協力を得て始めた事業だが 大きなコストメリット・環境負荷低減などをセールスポイントにステンレス・伸銅業界全体に販路を拡大していった。現在38期目を迎えニッチ市場で堅実な経営を続けている。従業員は愛知県の安城支店を含め18名。平均年齢も30歳と若い。
 設立当初は折込チラシなどを使って転職者を採用していたが定着率が余りにも低いことから、地元の高校生採用の道を探ることに。「週休2日制」、「残業ゼロ」「大手企業に負けない給与」等々と若い人が来てくれるような環境を整備した。
 また、当初は市内13の高校すべてを社長自ら正月、5月、7月、年末と訪問し続けた。今では、進路指導の教師から「この子はクラフトに向いているから紹介します」と言ってくれるまでになったという。子供を育てる様に手間暇かかるが地元の若い人を育てることに情熱を注いでいる。

 合紙のリユースを長年手がけ蓄積された「巻く」「切る」「つなぐ」の3つの高度な技術と徹底した品質管理を武器に新分野進出を目指している。「つなぐ」では伸銅業界初 HDPEフィルムの熱溶着技術実用化に、「切る」では広幅銅箔などのスリット技術開発に取組んでいる。若手もだいぶ育ってきた。

 関社長60歳の挑戦が始まる。

クラフト株式会社
代表取締役 関 和雄
所在地:相模原市橋本台3丁目14番24号 資本金:1,000万円
年商:2億1千万円 創業:1974年4月 従業員:18名
事業内容:金属合紙の加工販売、使用済み合紙・フィルムのリユース、他ウェブの加工
URL: http://www.c-craft.co.jp/