かわらばん

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かわらばん地域版7号 2010年5月

株式会社リガルジョイント
   相模原発イノベーションへ向けネットワーク技術で不可能を可能にする
 半導体や液晶ディスプレーの製造装置で使われる流量センサーやホース継手などの流体制御機器のパイオニアである株式会社リガルジョイントの稲場久二男社長を相模原市南区大野台に訪ねました。
 稲場さんは5人兄弟の末っ子として1944年に相模原市大野台で生を受け、高度成長期の中、東京にあった産業用ガスの販売会社に就職し、造船、鉄鋼などのメーカーへの営業に従事する。
 そこで、多くの納入先から「装置の部品を加工してくれる会社を探してくれ」、「原材料の調達先を探してくれ」など様々な相談を受けると、京浜臨海地帯を飛び回っていた稲場さんは、そのネットワークを生かし顧客のニーズに応えていった。
 そうした業務にやりがいを感じていたある時、日電バリアン(現キヤノンアネルバ)から「真空装置の配管を手伝ってくれないか」という要望を受け、これを契機に独立を決意し1974年、30歳で有限会社リガルジョイントを設立。その後日電バリアンと共に半導体のスパッタ装置を手がけ1980年頃には売上16億円、従業員80名と業績を大きく伸ばしていった。しかし、突然注文が激増、激減するシリコンサイクルに翻弄される。
 「このままでは夢を持ち、従業員も安心して働けない」と感じた稲場さんは自社製品の開発に乗り出す。それが現在同社の主力製品となっている流量センサーやホース用継手の「カンタッチ」である。
 現在は「オゾン」の未来に大きな夢を描いている。
 「オゾンは優れた殺菌、脱臭、漂白、浄化機能を有しているが、国内ではその能力を十分に活用されていない。今後も医療、農業、畜産などの分野に向け、新商品開発に取り組んでいく」と稲場さんは熱く語る。更に燃料電池の周辺機器である熱交換器やその継手の開発にも取組んでいる。
 また、これらの技術を融合してイチゴなどの水耕栽培事業へも挑戦しようとしている。稲場社長の夢はますます大きな広がりを見せている。

株式会社リガルジョイント 代表取締役 稲場 久二男
所在地:相模原市南区大野台1丁目9番49号(本社)
資本金:3200万円
年商:1,637百万円(35期)
創業:1974年(昭和49年)7月3日
従業員数:89名(2010年5月1日現在)
事業内容:流体制御事業、オゾン事業、真空ポンプ事業、ユニット事業
URL:http://www.rgl.co.jp/