かわらばん

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かわらばん入居版59号 2009年3月

株式会社TSLソリューションズ
   ミクロの変化を見せます!!
■代表プロフィール
代表取締役 鈴木 清一(すずき せいいち)さん。
新潟県新発田市生まれ、
東北大学大学院工学研究科博士前期課程修了。
現在、東京都豊田市在住の53歳。
趣味はスキー。最近は休みの日も図面描きの仕事・・・。
奥様と息子さんとの3人家族。

■起業しようと思ったきっかけは?
 卒業後、就職した日本電子㈱でTEM(透過電子顕微鏡)の開発・設計に12年間従事し、その後、外資系のオックスフォードインストゥルメンツ(株)に転職し、X線分析機器やSEM/TEM付属機器の販売
や技術サポートに約4年間従事した。
 ミクロの世界を探求する電子顕微鏡の世界は興味深く、付属装置も研究の幅を広げる面白い装置が多かった。しかし、外資系会社のビジネス姿勢に違和感を感じ退社。平成9年4月に、自らTEM/SEM
の付属実験装置等の開発・設計・製作・販売をすることを目指し、有限会社クォークを設立した。

■事業紹介
 有限会社クォークを設立後まもなく、米国でSEM/EBSD法を用いた結晶方位に基づくミクロ組織解析装置(OIM)を開発し、販売を開始したばかりのベンチャー企業「TexSEM Laboratories」社と出会い、日本での販売代理店となった。現在では製品開発の一部を担当するようにもなり、OIMの販売・技術サポートが同社ビジネスの中心となっている。この関係もあり2006年1月に社名を㈱TSLソリューションズと改名した。
 現在、注力している事業としては、OIMと組合せミクロ組織のダイナミックな変化の観察を可能とするSEM用実験装置(試料加熱ステージ、試料曲げ試験ステージ、試料加熱引張りステージ等)の開発・設計・製造・販売がある。これらは熱処理や加工によって材料のミクロ組織がどのように変化するか、これまで困難だった動的な直接観察を可能にするということで注目されている。 同社のビジネスの1つとして育ちつつある。

■一番苦労していることは?
 人材の確保。 SEM/EBSD法によるミクロ組織の解析手法もようやく広く認められるようになり、OIMのビジネスは一通りの流れが確立していると考えているが、前述のSEM用実験装置は暗中模索状態。OIMのユーザーを中心とする大学や企業の研究者の要望に応じて設計・製作し、時には学会等での紹介もしているが、要はほとんど一人でこなしている自転車操業状態で要望に応じきれていない。一緒に開発・設計をしてくれる人を探しているが、どうも癖のある分野で適任の人が見つからない・・・・。

■これからの夢または目標は?
 日本のTEM/SEMの本体メーカーは強く、世界の50%くらいを生産している。しかし、実際の研究現場でよく求められるTEM/SEMの付属実験装置に関しては、海外メーカーに主導権を取られているのが現実である。ゆくゆくは海外展開できる日本発のTEM/SEM用付属実験装置メーカーとなれるよう展開できればと思い描いている。

【お問い合わせ先】
 株式会社TSL ソリューションズ
 SIC-2 401号室
 TEL: 042-774-8841 FAX: 042-770-9314
 e-mail : info@tsljapan.com URL: www.tsljapan.com

AI圧延試料を加熱しながら、再結晶が進む様子を連続的に観察した例
従来型高解像度カメラ“DigView III”
高速動作型カメラ“Hikari”