かわらばん

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     専門家コラム
かわらばん地域版49号 2017年5月

What is “Incubation” ?
   企業をサポートし隊シリーズ -SIC編-
SICが設立され18 年目を迎え、SICかわらばん(地域版)も9 年目となります。

 これまでSICは、多くの地域企業様をはじめ産業振興に取り組む様々な機関・団体、行政や各関係者の方々に支えられながら、SICの企業理念にもある「総合的インキュベーション活動」に取り組んできました。

 また、さがみはら産業創造センターは“SIC” と自らを称し、皆様からもそのようにお呼びいただいています。これは“Sagamihara” “Incubation” “Center”3 つの単語の頭文字によるものですが、真ん中のIncubation(インキュベーション)という言葉は、まだまだ一般的には馴染みがなく、
「インキュベーションってなんですか?」
と質問されることがあります。

 今回から二回にわたり、“インキュベーション” と“インキュベーションマネージャー” について掘り下げていきたいと思います。

正しくは“ビジネス・インキュベーション”

 Incubationという英語は「卵が孵化する」という意味です。諸説ありますが、アメリカの閉鎖された工場で、その施設を小分けしてビジネスを始めようとする様々な人たちに貸し出し、経営面の支援も行いました。このことを「これはまさしくビジネスのインキュベーションだ」といった、いわば洒落から生まれた言葉と言われています。この“起業家を育成”するという考え方が徐々に広がり、今では日本国内でもインキュベーション活動を行う施設・機関が数百に及びます。

 このような中、SICは、有難いことに先進的な取り組みを行っている産業振興機関として評価をいただき、全国のインキュベーション施設からの研修、起業家育成、産業振興事業及び施設運営面についての視察を積極的に受け入れています。

インキュベーションセンター“SIC”の誕生時はバブル経済が崩壊した1990年代の中ごろ、国内の自治体が自ら地域産業振興を立案・施策展開を行おうという潮流が生まれ、相模原市も地域特性を軸足においた長期的構想として『さがみはら産業振興ビジョン』が策定されました。

 その中の一つに相模原地域の特徴でもある製造業における政策の焦点として“産学共同”というコンセプトが打ち出され、特に“新規成長産業の創造と拠点整備”の必要性が鮮明となり、ビジネス・インキュベーションという考え方と重なり合うことでSICの原点が構想されました。

 さらに「新事業創出促進法」という新たな法律が整備され、そのスキームを活用して相模原市や中小企業基盤整備機構(当時は地域振興整備公団)、金融機関や民間企業からの出資によってインキュベーションセンターである“SIC”が誕生しました。

 次回は、インキュベーションマネージャーについてご紹介します。