かわらばん

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かわらばん地域版22号 2012年12月

ヤマザキ材料開発研究所
   接着をデザインする
 ヤマザキ材料開発研究所(代表 山崎 哲氏)は、『接着』をコア技術とし、メーカーの新材料・新プロセスの開発をサポートする研究所である。
 山崎氏は、長年勤務していた接着関連企業が商社からメーカーへ業容拡大していく中で、技術者としてエレクトロニクス分野の新しい機能を持つ接着剤を開発してきた。2008年2月の定年退職後、会社の枠組みにとらわれず、培ってきた人脈・ネットワークを生かし、世の中に求められる材料を開発すべく「ヤマザキ材料開発研究所」を設立し、事業展開を図っている。
 接着剤は、各種の材料を組み合わせた製品づくりには必要不可欠で、多くの産業分野や生活分野で使用されている。中でも、近年、工業分野で果たす役割は多く、接着剤が機能や品質向上、生産工程や生産時間の削減などに寄与している。
 例えば、FPD※の生産工程に使用することを目的に開発されたUV硬化型接着剤は、FPDの大型化に対して、従来の液晶注入プロセスを、液晶をガラス基板へ滴下し封入するプロセスへ変換することを可能にし、従来型生産方法に比較して大幅な時間短縮効果を得ることが出来たという。
 現在、取り組んでいるのは、接着機能を必要とした新機能材料開発で、特にリチウム電池関連の材料開発及び技術サポートを行っている。
 近年、モバイル機器・ノートPCなどから電気自動車まで使用分野が拡大しているリチウムイオン電池において、一例として、セパレータ等の有機材料に無機材料を極めて薄く塗布(接着)する工程などが開発検討されている。
 このような異種材料を接着させる点で重要なのは、「界面」である。界面を観察すれば製品の技術課題が明確化し、新しい接着材料開発においても、界面の状態観察が開発の方向性を見出すことになる。
 山崎氏は、「接着技術の役割を、境界領域を持つ機能材料開発の要素技術と製品プロセスを革新的に変え、新しい価値を創造する為の要素技術の2点に位置づけて、新しい機能を付与させた高付加価値のある接着材料を開発していきたい。そして、各企業・事業体が協力し相互の価値を高めながら、社会的意義のある新たな価値を創造してゆくことに貢献したい。」と、開発関連文献や資料とともに、新機能に当たりを付けるべく材料・ビーカー・フラスコなどが整然と並ぶSICの研究室で、抱負を語っていただきました。

※FPD Flat Panel Display フラットパネルディスプレイ

ヤマザキ材料開発研究所
〒252-0131相模原市緑区西橋本5-4-21 SIC-1
TEL.042-770-9143 FAX.042-770-9157