子どもアントレ
（さがみはら子どもアントレプレナー体験事業）

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1日目

・オリエンテーション
受付を済ませて席に着いてから、男の子たちは落ち着きがない様子で、女の子たちは緊張した様子でした。自己紹介で「どこ小？？」「えっ！知らないー！！」という会話で段々打ち解けていきました。アイスブレイクの人間知恵の輪では、このチームは難しいつなぎ方をしてしまったらしく、最後まで解けませんでした。しかし、みんな笑顔で楽しそうでした。

・会社設立、役職決定
役職は、まず、ひとり2つずつやりたい役職を言っていきました。社長がかぶってしまって、どうやって決めるのかな･･･と心配でしたが、「どうして社長になりたいのか」を伝え、話し合って決めていました。自分の役職が決定し、それぞれの仕事を再確認することで、やる気が高まっていったように思います。

・商品紹介
自分たちがこれから販売するものなので、真剣に商品紹介を聞いていました。「お客さんの気持ちを考える」ということを何度も口にしていました。「これは夏っぽいよ！」「これは季節関係なく使えるよ！」、「これは原価が高すぎるよー」など、たくさんの意見が出ていました。話し合った結果、いつでも使えて、原価が安く抑えられる「巾着」が第一希望になりました。

・商品、販売場所決定
商品決定は他の会社とかぶることなく、第一希望に決定しました。みんなとても喜んでいて、早く商品を作りたくてうずうずしていました。販売場所を決める話し合いでは、「一番歩行者が多いところは値段が高すぎるから･･･」、「でも人が来なきゃ売れないよ」という意見があり、なかなか意見がまとまりませんでした。他の会社の様子も気にしながら、選んだのは2番目に高い場所でした。しかしそこはライバルが多く、最終的に一番安い場所に決定しました。「経費が抑えられて良かったね！」と声を掛けてくれた子がいて、会社の雰囲気を明るくしてくれました。

・社名決定
社名は、英語がかっこいいということと、「手作り(Hand Made)」だとわかるようにしたいということで、「HM・Kinchaku」に決まりました。

・事業計画書
材料費や道具レンタル代の計算に苦戦していました。とても難しい作業でしたが、自分の役職に責任を持って、仕事を頑張ろうとしていました。これまでは話し合いが長引いてしまい、なかなか時間内に決めきることができませんでしたが、段々スムーズに話し合いが進むようになり、しっかり時間内に事業計画書を書き終えることができました。商品を製造する上で出てきそうな問題なども自分達で解決案を考えたりと、とてもしっかりした計画を立てていて、ただ驚くばかりでした。

2日目

・融資交渉
銀行に行く前にみんなで何度も練習し、あいさつをそろえるなど工夫していました。エレベーターで3階に上がり、ドアが開くととても静かで、みんなが緊張するのが伝わってきました。最初の融資交渉では、練習通りに銀行の方と話をすることができました。質問をされても、事前に練習していたため、無言になることもなくしっかり答えられていました。事業計画書の内容は、製造個数と商品の価格を指摘され、１回目の交渉は不成立に。帰ってくるとまず、価格の見直しを行い、製造個数は変えずに２回目の融資交渉に挑みました。2回目も製造個数について指摘されましたが、商品製造のスケジュールを書いて持って行くことで、納得してもらうことができました。融資交渉が成立し、無事お金を借りることができたときの、みんなの喜んだ顔を見て、私もとても嬉しくなりました。

・商品製造
前日からとても楽しみにしていた商品製造でしたが、思っていたより巾着作りは難航しました。最初は一人一つずつ巾着に取りかかっていましたが、それだと効率が悪いことに気づいた子が、「○○くんたちはひも通ししてくれない？」、「役割分担してポスターも描かない？」「わたしボタン付けやるね！」などの声が聞こえ、6人で協力していました。しかし、思っていたよりも１つあたりの製造に時間がかかり、融資交渉をした銀行からアルバイトを雇うように言われてしまいました。時間を気にしながら、しかし、お客さんに買ってもらえる商品になるのかということを考えながら、一生懸命作っていました。結局アルバイトを5人雇い、予定より5つ少ない数の巾着を作りました。

3日目

・販売
昨日の製造個数を気にしている様子でした。予定より多くの費用がかかってしまい、「銀行にお金返せるかな･･･」と心配していました。朝は少し眠そうでしたが、販売の時間になると全員が大きな声で宣伝したり、看板を持ってお店の前で呼び込みをしたり、自分たちで考えてお客さんにアピールしていました。お客さんがいらっしゃった時には、商品の説明や「何色が好きですか？」など積極的に接客をしていて、素晴らしかったです。最後は、他の会社のメンバーが応援に来てくれました。みんなで協力して作った巾着が完売して、私も含めみんなで喜びあいました。

・決算、振り返り、報告会
販売の時に1つだけ商品のチェックができておらず、売上がずれてしまいました。しかし、計算をし直してミスを発見することができました。決算を終え、銀行に借りたお金を返済できたときは、「よかった～」と、ほっとした様子でした。さらに、みんなお給料をもらうことができました。報告会は大人の方がたくさんいて、少し緊張していましたが、事前の練習の成果がここでも発揮され、しっかり発表することができていました。

BBからのコメント

長いようで短かったこの３日間、本当にお疲れ様でした。話し合いではたくさん意見が出て、時間を過ぎてしまうことが多かったね。そんなとき、私が上手くサポートできなかったことが、とても申し訳なかったです。融資交渉の練習などから、お互いに声を掛け合っていくことが増えていって、自分たちで何とかしようとする姿勢が見えてきました。そこからどんどん仲が深まっていくのを感じました。私はBBとしては頼りなかったかな･･･と思います。頑張っているみんなを見て、自然と笑顔になっていたよ。ありがとう。商品製造の時、アルバイトとして雇ってもらえて、みんなと一緒にお仕事ができたときは本当に嬉しかった！最後に、みんなから分けてもらったお給料は、大切に貯金します。お金をもらったことより、みんなの優しさが嬉しくて泣いてしまいました。本当にありがとう！この３日間、みんなと一緒に過ごせて本当に楽しかったです！

和田 愛佳(BB)